投稿日:2026年8月22日
OEM製造を検討する際、多くの企業が最初に確認するのは「工場単価」です。
同じような商品であれば、できるだけ安い価格を提示する工場へ発注したいと考えるのは自然なことです。
しかし、実際の商品づくりでは、工場から提示された単価が安いことと、最終的に商品を安く完成させられることは、必ずしも同じではありません。
製造価格だけを見て工場を選んだ結果、不良品、再生産、納期遅延、追加検品、緊急輸送などが発生し、最終的な費用が高くなることがあります。
商品づくりで本当に確認すべきなのは、一つの単価ではなく、商品がお客様のもとへ届くまでに必要となる総コストです。
工場の見積価格だけでは分からないコスト
海外工場へOEM商品を発注する場合、実際には製造単価以外にも多くの費用が発生します。
例えば、次のような項目です。
- サンプル製作費
- 金型費
- 材料費
- 印刷費
- 包装費
- 検品費
- 修理費
- 再生産費
- 中国国内輸送費
- 国際輸送費
- 通関費用
- 日本国内配送費
- 保管費
- 不良品対応費
また、金額として見えにくいものの、納期遅延による販売機会の損失や、社内での顧客対応に必要となる時間も、企業にとっては重要なコストです。
工場が提示する製造単価が安くても、それ以外の費用が増えれば、最終的な総コストは高くなります。
例えば、単価が10円安い工場でも
仮に、10,000個の商品を製造するとします。
工場Aの単価が1個100円、工場Bの単価が1個110円だった場合、製造価格だけを見ると、工場Aの方が10万円安くなります。
この段階では、工場Aを選ぶ方が合理的に見えます。
しかし、工場Aで10%の不良が発生した場合はどうでしょうか。
1,000個の商品について、修理、再検品、再生産などが必要になる可能性があります。
さらに、納期が遅れれば、予定していた船便に間に合わず、一部を航空便へ変更しなければならない場合もあります。
一方、工場Bの不良率が1%で、納期も安定しているとします。
製造単価は高くても、修理や再検品、追加輸送が少なければ、最終的には工場Bの方が安く商品を完成させられる可能性があります。
つまり、
「単価が安い工場」と「総コストが安い工場」は同じではありません。
不良率は重要なコストです
不良品は、単に販売できない商品が増えるというだけではありません。
不良が発生すれば、さまざまな追加作業が必要になります。
例えば、
- 不良内容の確認
- 工場との交渉
- 修理
- 修理品の二次検品
- 再生産
- 再包装
- 追加輸送
- お客様への説明
などです。
特に海外生産の場合、日本へ輸入した後に不良品が発見されると、問題はさらに大きくなります。
日本国内で再検品を行う必要が生じたり、不良品を返品したり、再生産品を再び輸入したりする可能性があります。
そのため、多少製造単価が高くても、不良率が低く、品質が安定している工場の方が、結果として企業の負担を減らせる場合があります。
納期もコストの一部です
商品の納期が遅れることも、大きなコストです。
特に、
- イベント商品
- キャンペーン商品
- 季節商品
- 発売日が決まっている商品
- キャラクターグッズ
などでは、販売期間が限られています。
商品が完成しても、販売予定日に間に合わなければ、商品の価値そのものが低下する場合があります。
また、製造遅延によって船便に間に合わず、航空便へ変更すれば、物流費が大幅に増加することがあります。
この場合、工場単価を数円安くするために得た利益が、緊急輸送費によって簡単に失われてしまいます。
そのため、工場を評価する際には、価格だけでなく、過去の納期実績や生産管理能力も確認する必要があります。
安い材料が必ずしもコスト削減になるとは限りません
製造価格を下げる方法として、材料を安価なものへ変更することがあります。
もちろん、商品の用途によっては、材料を見直すことで品質を大きく下げずにコストを削減できる場合があります。
しかし、価格だけを優先して材料を変更すると、
- 強度不足
- 変色
- 変形
- 接着不良
- 印刷不良
- 縫製不良
- 耐久性低下
などにつながる可能性があります。
販売後に返品や交換が増えれば、材料費を節約した以上の損失が発生します。
材料変更を行う場合には、価格だけでなく、使用用途、安全性、耐久性、外観などを確認し、量産前にサンプルで検証する必要があります。
梱包方法によって物流費も変わります
商品の製造価格が同じでも、梱包方法によって輸送費が大きく変わる場合があります。
例えば、外箱が必要以上に大きければ、実際の商品重量が軽くても、容積重量によって航空運賃が高くなることがあります。
船便でも、箱のサイズや積載効率によって必要なスペースが変わります。
そのため、商品そのものだけでなく、
- 個別包装
- 内箱
- 外箱
- 入数
- 緩衝材
- 箱サイズ
まで含めて設計する必要があります。
品質を維持しながら梱包サイズを小さくできれば、製造費ではなく物流費を削減できる可能性があります。
このような改善も、総コストを下げる重要な方法です。
検品費を削減すれば、本当に安くなるのでしょうか
価格を抑えるために、検品を省略したり、検品数量を減らしたりすることも考えられます。
しかし、検品費用を削減できても、不良品がそのまま日本へ出荷されれば、より大きな費用が発生する可能性があります。
例えば、中国で出荷前に不良品を発見できれば、工場内で修理できる場合があります。
一方、日本へ到着した後に発見すれば、日本国内で再検品や修理を行わなければなりません。
再生産が必要になれば、国際輸送費も再び発生します。
そのため、検品は単なる「追加費用」ではなく、将来発生する可能性のある損失を減らすためのリスク管理と考える必要があります。
工場ごとに得意分野が違います
すべての商品を同じ工場で製造することが、最も効率的とは限りません。
工場には、それぞれ得意な商品や加工方法があります。
例えば、
- アクリル加工に強い工場
- PVC成形が得意な工場
- ぬいぐるみの縫製経験が豊富な工場
- 印刷品質が安定している工場
- 小ロット対応が得意な工場
- 大量生産に強い工場
などがあります。
ある商品では非常に良い工場でも、別の商品では十分な技術や設備を持っていない場合があります。
そのため、工場を選ぶ際には、単価だけではなく、その商品を過去にどの程度生産した経験があるかを確認することが重要です。
商品の特性に適した工場を選ぶことが、不良率や納期遅延を減らし、結果として総コストの削減につながります。
安定したコミュニケーションにも価値があります
海外生産では、工場とのコミュニケーションも重要です。
仕様変更、色の修正、納期調整、不良対応など、量産中にはさまざまな確認が発生します。
その際、
- 返答が早い
- 問題を隠さず報告する
- 指示内容を正確に理解する
- 写真や資料を提出できる
- 改善対応が早い
といった工場は、多少単価が高くても大きな価値があります。
反対に、価格が安くても、連絡が取れない、問題を報告しない、納期を守らない工場では、管理に多くの時間が必要になります。
担当者が工場との確認に何時間も費やすのであれば、その時間も企業にとってはコストです。
総コストを考える際には、目に見える費用だけでなく、管理に必要となる時間も考慮する必要があります。
最安値ではなく、最適な価格を考える
商品づくりでは、価格競争力は非常に重要です。
だからといって、常に最も安い工場を選べばよいわけではありません。
重要なのは、
必要な品質と納期を維持しながら、最終的な総コストをできるだけ低くすることです。
そのためには、
- 商品仕様を見直す
- 適切な材料を選ぶ
- 商品に合った工場を選ぶ
- 量産前にサンプルを確認する
- 不良基準を明確にする
- 出荷前検品を行う
- 梱包方法を最適化する
- 輸送方法を検討する
- 余裕を持った生産計画を立てる
といった複数の方法を組み合わせる必要があります。
一つの項目だけを極端に安くするよりも、商品づくり全体を改善する方が、長期的には大きなコスト削減につながります。
円安の時代だからこそ、総コストを見る
近年の円安によって、海外から商品を輸入する日本企業の負担は大きくなっています。
海外工場の製造価格が変わらなくても、円換算後の仕入れ価格が上昇する場合があります。
このような状況では、企業はこれまで以上にコスト削減を求められます。
しかし、円安だからといって、品質管理や必要な工程まで削減してしまえば、不良品や再生産による損失が増え、結果としてさらに高い費用を支払うことになりかねません。
コストが上昇する時期だからこそ、
「どこを安くするか」ではなく、「どこに無駄があるか」を見つけることが重要です。
品質を維持したまま、材料、構造、包装、物流、生産方法を見直すことで、無理な値下げに頼らないコスト改善が可能になります。
信頼できる工場とは
信頼できる工場とは、必ずしも最も高い工場でも、最も安い工場でもありません。
私たちが重要だと考えるのは、
- 品質が安定している
- 指示内容を正確に理解できる
- 問題が発生した際に迅速に報告できる
- 納期を守る
- 改善要求へ対応できる
- 継続生産でも品質を維持できる
といった点です。
長期間取引を続ける商品では、毎回工場を変更するよりも、品質改善を積み重ねながら安定した生産体制を構築する方が、結果として効率的になる場合があります。
商品が完成するまでの全体を見る
OEM製造において、本当に安い商品とは、工場から安い単価で仕入れた商品ではありません。
必要な品質を満たし、予定どおりに完成し、余計な修理や再生産を行わず、お客様へ問題なく納品できた商品です。
つまり、
「安い工場」と「安く商品を完成させられる工場」は、必ずしも同じではありません。
株式会社デイリープラネットジャパンでは、工場から提示される製造単価だけでなく、品質、不良率、納期、検品、梱包、物流などを総合的に考え、お客様の商品に適した製造方法をご提案しています。
私たちは、単に「一番安い工場」を探すことがOEM会社の役割だとは考えていません。
お客様の品質要求、予算、数量、納期を理解したうえで、商品が完成し、納品されるまでの総合的な負担をできるだけ抑えることが重要だと考えています。
価格と品質のバランスを取りながら、安心して継続できる商品づくりを支えること。
それが、デイリープラネットジャパンが目指すOEM製造です。
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