大阪・関西万博から考える、これからの商品づくり

投稿日:2025年4月18日

2025年4月13日、大阪市此花区の夢洲で、大阪・関西万博が開幕しました。
開催期間は2025年10月13日までの184日間です。
今回の万博では、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとして、世界各国の文化、技術、医療、環境、エネルギー、デジタル技術など、さまざまな分野の展示が行われます。
万博は、単なる大規模な展示会ではありません。
世界各国の企業、政府、研究機関、クリエイターが集まり、未来の社会や新しい価値について考える場でもあります。
中小企業や商品製造に関わる企業にとっても、これからの商品づくりを考えるうえで、多くのヒントがあると考えられます。

商品は機能だけで選ばれる時代ではない

これまでの商品づくりでは、価格、品質、機能が主な競争要素でした。
もちろん、これらは現在も非常に重要です。
しかし、商品が豊富に存在する現代では、機能や価格だけで他社の商品との差を明確にすることが難しくなっています。
これからの商品には、企業やブランドが伝えたい考え方、物語、デザイン、社会的な意味なども求められます。
同じような機能を持つ商品であっても、その背景にある物語や価値観に共感できる商品は、消費者の記憶に残りやすくなります。
大阪・関西万博の各パビリオンも、技術を展示するだけではなく、それぞれの国や企業が考える未来を、建築、映像、音楽、キャラクター、商品などを通じて表現しています。
商品づくりにおいても、「何を作るか」だけでなく、「なぜ作るのか」「何を伝えるのか」が重要になっています。

キャラクターと知的財産の価値

大型イベントでは、公式キャラクターやロゴマークを使用した商品が数多く展開されます。
アクリルキーホルダー、缶バッジ、ぬいぐるみ、文房具、衣類、バッグ、生活雑貨など、さまざまな商品がイベントの記憶を形として残します。
こうした商品は、単なる記念品ではありません。
キャラクターやデザインを通じて、イベントの世界観やブランドの価値を多くの人へ伝える役割を持っています。
イベント終了後も商品が手元に残ることで、そのときの体験や感情を思い出すことができます。
これは、キャラクターや物語を持つ知的財産、いわゆるIPの大きな力です。
企業にとっても、独自のキャラクターや物語を育てることは、価格競争から離れ、長期的なブランド価値を築く方法の一つとなります。

中小企業にも生まれる機会

万博のような大規模イベントでは、大企業や有名ブランドに注目が集まりやすくなります。
しかし、実際の商品や展示物を完成させるためには、さまざまな中小企業の技術が必要です。
印刷、成形、縫製、金属加工、アクリル加工、包装、物流、検品など、多くの企業がそれぞれの専門技術を提供しています。
一社だけですべての商品を製造することは容易ではありません。
企画会社、デザイナー、製造工場、検品会社、物流会社などが協力することで、初めて一つの商品が完成します。
そのため、中小企業には、大企業にはない専門性、柔軟性、対応の速さが求められます。
企業規模が小さくても、独自の技術や高い品質管理能力があれば、大きなプロジェクトに参加できる可能性があります。

環境に配慮した商品づくり

今回の万博では、持続可能な社会や環境問題も重要なテーマとなっています。
商品製造においても、環境への配慮は避けて通れない課題です。
材料の選択、商品の耐久性、包装資材、廃棄方法、輸送距離など、さまざまな角度から環境負荷を考える必要があります。
ただし、「環境に優しい」という表現だけを使用し、実際の効果や根拠を十分に示さなければ、消費者の信頼を失う可能性があります。
環境対応は、宣伝のための言葉ではなく、商品の企画段階から検討すべき要素です。
例えば、過剰包装を減らすことは、廃棄物の削減だけでなく、包装費や輸送費の削減にもつながります。
長期間使用できる品質の商品を作ることも、使い捨てを減らすという意味で環境への配慮になります。
重要なのは、品質、価格、実用性、環境負荷のバランスを取ることです。

デジタル技術と実物商品の融合

デジタル化が進むと、実物の商品が必要なくなると考える人もいるかもしれません。
しかし、デジタル技術が進歩するほど、実際に手に取ることのできる商品の価値が改めて注目される可能性があります。
デジタルコンテンツは瞬時に世界へ届けられますが、実物の商品には、素材の感触、重さ、色、形、包装など、画面だけでは伝えられない魅力があります。
今後は、デジタルと実物商品が競争するのではなく、互いに補完する関係になると考えられます。
例えば、商品に二次元コードを付け、動画、音楽、小説、限定コンテンツなどへつなげることができます。
キャラクター商品を購入した人だけが特別なデジタルコンテンツを体験できる仕組みも考えられます。
実物商品を入口として、より広い物語やブランドの世界へ消費者を導くことができます。

海外生産で重要になる品質管理

多くの商品を一定の価格で供給するため、海外の工場を利用することがあります。
海外生産には、コスト、生産能力、加工技術などのメリットがあります。
一方で、言語、商習慣、品質基準、納期に対する考え方の違いなど、さまざまな課題もあります。
特に、大型イベントの商品には販売期間が決められているため、納期遅延は大きな損失につながります。
イベント終了後に商品が完成しても、販売機会を失ってしまいます。
また、多くの商品を短期間で生産する場合、不良品や仕様の間違いが発生する可能性も高まります。
そのため、生産前の仕様確認、試作品の確認、製造中の管理、完成品の検品が重要です。
価格を抑えることだけでなく、決められた品質の商品を決められた時期までに納品することが、OEM企業に求められる役割です。

一時的な流行を長期的な価値へ

大規模イベントでは、開催期間中に多くの注目が集まります。
しかし、イベントが終了すると、人々の関心が急速に薄れることもあります。
そのため、企業には一時的な人気だけに頼らず、イベント終了後にも残る価値を考えることが求められます。
商品を通じて新しい顧客に企業を知ってもらい、その後も別の商品やサービスを利用してもらえる関係を築くことが重要です。
キャラクターや物語を継続的に発展させることができれば、イベント商品を一度だけ販売して終わるのではなく、長期的な事業へ育てることもできます。
短期的な売上と長期的なブランド形成の両方を考える必要があります。

未来を形にする商品づくり

大阪・関西万博は、世界の新しい技術や文化に触れる機会です。
同時に、企業がどのような社会を目指し、どのような価値を提供するのかを考える機会でもあります。
技術が進歩しても、商品を実際に企画し、製造し、検品し、消費者へ届ける仕事の重要性は変わりません。
むしろ、選択肢が増える時代だからこそ、企画の意図を正確に理解し、品質の高い商品として形にする力が求められます。
株式会社デイリープラネットジャパンでは、中国における商品製造と品質管理の経験を活かし、お客様の企画を実際の商品へと形にするお手伝いをしています。
価格だけを追求するのではなく、用途、デザイン、品質、納期、販売方法を総合的に検討し、それぞれの商品に適した製造方法をご提案してまいります。
大阪・関西万博をきっかけとして、日本企業の技術、企画力、デザイン、物語が世界へさらに広がっていくことを期待しています。


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