利上げ後も続く円安―企業は何を見直すべきか

投稿日:2026年9月19日

2026年9月18日、日本銀行は金融政策を変更し、政策金利を1.25%へ引き上げました。
日本では長期間にわたり低金利政策が続いてきましたが、近年は物価上昇や円安を背景として、段階的な利上げが進められています。
一般的には、金利が上昇すると通貨を保有する魅力が高まり、円高方向へ働く可能性があります。
しかし、今回の利上げ後も、円相場は必ずしも大きく円高へ転じたわけではありません。
このことは、為替が一つの要因だけで決まるものではないことを示しています。
企業にとって重要なのは、円高になることを期待するのではなく、円安が続いても対応できる経営体制を整えることです。

円安は海外生産企業のコストを押し上げます

海外で商品を生産し、日本へ輸入する場合、製造価格が現地通貨ベースで変わらなくても、円安によって円換算後の仕入価格は上昇します。

例えば、同じ1万ドルの商品でも、

  • 1ドル=140円なら140万円
  • 1ドル=150円なら150万円
  • 1ドル=160円なら160万円

となります。

商品そのものは何も変わっていなくても、為替だけでコストが大きく変わります。
さらに、国際輸送費、検品費、材料費、包装費などにも外貨建ての費用が含まれる場合があります。
そのため、海外生産を利用する企業にとって、円安は単なる為替の問題ではなく、利益率や販売価格に直接影響する経営問題です。

利上げによって別のコストも増えます

一方で、日本銀行が利上げを進めると、銀行からの借入金利も上昇する可能性があります。
企業は商品を仕入れる際、必ずしもすべて自己資金だけで支払っているわけではありません。
運転資金、在庫資金、設備投資などのために借入を利用している企業も多くあります。

金利が上がれば、

  • 仕入資金
  • 在庫資金
  • 設備投資
  • 運転資金

に必要な金融コストも増加します。

つまり、円安による輸入コスト上昇と、利上げによる資金コスト上昇が同時に発生する可能性があります。

価格を上げるだけでは解決できません

コストが上がれば、販売価格へ転嫁することも必要です。
しかし、すべてのコスト上昇をそのまま販売価格へ反映できるとは限りません。
競合商品との価格差が広がれば、販売数量が減る可能性があります。
また、取引先との契約上、すぐに価格変更できない場合もあります。
そのため、企業には価格改定だけでなく、商品づくり全体の見直しが必要です。

例えば、

  • 材料
  • 商品サイズ
  • 包装方法
  • 生産数量
  • 工場
  • 検品方法
  • 輸送方法

などを総合的に見直すことで、品質を大きく落とさずにコストを改善できる場合があります。

円安時ほど不良品を減らす必要があります

円安によって商品の円換算価格が高くなるほど、不良品一つ当たりの損失も大きくなります。
以前は500円で仕入れていた商品が600円になれば、100個の不良品による商品代の損失は5万円から6万円へ増えます。

さらに、不良品には、

  • 再検品
  • 修理
  • 再生産
  • 再輸送
  • 返品対応
  • 顧客対応

などの追加費用が発生します。

そのため、円安時には価格だけでなく、品質管理の重要性も高まります。

見積条件を明確にする

為替変動が大きい時期には、見積書の条件を明確にする必要があります。

特に、

  • 見積有効期限
  • 使用為替レート
  • 原材料価格
  • 国際輸送費
  • 発注数量
  • 支払条件

を事前に確認することが重要です。

見積提出から発注までに時間が空けば、その間に為替が大きく変動することがあります。
企業側も発注側も、どの条件で価格が決まるのかを理解しておく必要があります。

為替を予測するより、変化に耐えられる体制を

円相場が今後どの方向へ動くかを、正確に予測することは困難です。
金利だけでなく、米国経済、世界情勢、資源価格、投資家の動きなど、さまざまな要因が為替に影響します。

企業に必要なのは、

「円高になるまで待つこと」ではなく、「円安でも利益を確保できる商品づくり」

だと考えます。

株式会社デイリープラネットジャパンでは、製造単価だけでなく、品質、検品、物流、為替、納期を含めた総合的なコストを考え、お客様の商品づくりをサポートしています。

経済環境が変化する中でも、安定した品質と価格のバランスを追求してまいります。

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